2024/06/28学校生活イベント
ワオ高校では、連携協定を結んでいる「さとのば大学」が実施している体験企画「さとのばLearning Journey」に、生徒や教職員が積極的に参加しています。
全国各地のさまざまな地域に直接出向くことで、新たな経験と出会いを得る活動に取り組んでいます。
今年の春休みからゴールデンウィークにかけて、この活動に参加した生徒3人が6月、全校生徒の前で活動報告を行いました。
現地での人との出会い、その土地ならでは伝承などに触れ、自分自身が成長したと感じる部分を他の生徒たちにも共有しました。
生徒の発表内容を一部紹介します。
これまで大きな災害に遭った経験はないというA・Sさん。でも、住んでいる高知県はいつか大きな地震が起きると言われていて、それに備えて防災士の資格も取得しています。
「災害から復興した経験を学びたい!」「出身地が違う、育った場所が違う人と関わってみたい」という思いから、宮城県女川町のプログラムに参加しました。
女川では、町をめぐって東日本大震災被害の跡や復興の様子を直接見学しました。
A・Sさんは、2つのことが印象に残ったそうです。
まず1つは、震災の証である「いのちの石碑プロジェクト」。中学生を中心に募金活動を行い、町には21個の石碑が立っています。
私たちは歩ける範囲で4か所を回りました。それぞれ石碑に書かれたメッセージが違っており、津波の到達地点も示してありました。1000年先の未来の命を守るためのメッセージだそうです。
もう1つ印象に残っているのは、「スペインタイル」。これはいまや女川の名物といっても過言ではない存在だと言います。
復興後の町のことを考えた時、人が町から離れてしまっていたらもったいない。人に選んでもらえる、他とは違う町にしたいと選ばれたのが「スペインタイル」でした。
異文化のものであるスペインタイルは、1000度の高温で焼くことで鮮やかな色が長くもち、100年後の未来も女川に残り続けるようにという思いが込められています。
町の中でスペインタイルがある場所を回れるようにマップもあり、町の観光の目玉となっているそうです。
女川を復興する際、高い堤防をつくることも考えられました。でも、きれいな海も女川の魅力だから、海が見える景観を残しつつ人の命を守るために、人の住む場所を高くすることにしたのだそうです。
人だけでなく、町を守ることも大事。スペインタイルや石碑に込められた思いを知ったというA・Sさん。
「今回のプログラムで、いろいろな刺激を受けました。震災や復興について学び、新たな興味をもつことができました。女川の皆さんが、どんなにつらい状況でも諦めず復興したことを知り、自分も諦めずに努力していきたいと思いました」と締めくくりました。
京都という世界的な観光都市で行われたプログラムは、「暮らす町」としての京都を体験するシェアハウス生活です。
「観光では見られない京都の町」というキャッチフレーズに触れ、M・MさんとW・Nさんは参加を決めました。
シェアハウスで多くの人とかかわり、町を積極的に散策したM・Mさん。シェアハウス近所の漬物屋さんで見つけたカボチャの漬物は思い出の一品となり、そのお店は何度も訪ねたい場所になりました。
W・Nさんは、シェアハウスでの生活を通して「京都は特別なわけじゃない」と感じ、京都という町に対する見方が変化したといいます。
多くの人との出会いを通じ、新しい価値観に触れた2人。今回の旅を通じて、新しい視点を得たことで成長へとつなげました。
★さとのば大学より
意見の違う人の考え方をポジティブに受けてもらい、自分の経験に活かしてもらえたことがうれしい。
テキストではなく、自分で体験したことが自分の力と言葉になっていると思います。勇気をもらえる発表だった。
今回のプログラムに一度行って終わりなのではなく、今後も引き続き、地域の人とのかかわりを深めてほしいです。
2024/06/28学校生活イベント
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